第二十九席
『お知恵拝借・給餌器泥棒』
まくら
留守番中に決まった量のカリカリを出してくれる便利な「自動給餌器」。ところが、猫の中には石川五右衛門も顔負けの「知能派泥棒猫」がおりまして、自動給餌器に体当たりして倒したり、上のフタを頭でこじ開けたり、出口の穴に前足を突っ込んで中のカリカリを掻き出したりするやつがいるそうでございます。「ねこサポLIFE」では、そんな知能派猫に打ち勝つための「耐震ジェルマット」「チャイルドロック」「台に乗せる」という3段構えの防衛術を伝授しております。
本編
健太「田中さん、聞いてくださいよ! 留守番中のうちの猫のクロのために自動給餌器を買ったんですがね、夕方帰ってきたら、部屋の真ん中で給餌器が横倒しになってフタが開いてて、1週間分のカリカリを全部盗み食いして、クロがタヌキみたいなポンポンのお腹で寝てたんですよ! あいつ、猫じゃなくて金庫破りの名人ですよ!」
田中さん「そんなに食べたなら、お腹が張ってないか、吐いてないか、まずはよく見ておやり。……それにしても、軽いプラスチックの給餌器を部屋の真ん中にそのまま置くから、クロちゃんに攻略されちまうんだよ。『知能派猫への3段防衛術』を教えてやろう。まずStep1、給餌器の底面にテレビの転倒防止なんかで使う『耐震ジェルマット』を貼って床に強力固定し、背面と側面が壁に囲まれた『部屋の角(隅)』に配置して体当たりできないようにする!」
健太「なるほど! 壁の角に耐震ジェルで固定すれば、横から体当たりしても倒れませんね!」
田中さん「次にStep2、上のフタを前足や頭でこじ開ける猫には、フタの上から冷蔵庫なんかにつける『チャイルドロック(ドアロックベルト)』を貼り付けて、人間しか開けられないようにする。そしてStep3、排出口から前足を突っ込んで掻き出す場合には、給餌器を『10センチくらいの少し高い台』の上に乗せて前足を奥まで差し込みにくい角度にするか、シャッターが完全に閉まる機種にするんだ。あと、イライラしてコンセントのコードを噛まないように、コードにはスパイラルチューブを巻いてコンセントカバーをつけるのを忘れずにね!」
健太「壁の角に耐震ジェル、フタにチャイルドロック、10センチの台に乗せてコードも保護! これならどんな大泥棒の猫でも手も足も出ませんね! さっそく今日、完全要塞にして出かけてきます!」
(その日の夕方)
田中さん「おう健ちゃん、完全要塞にした自動給餌器、クロちゃんに破られなかったかい?」
🎐 オチを見る
健太「ええ、クロのやつは指一本触れられずに諦めてましたよ! ……ただね田中さん、その要塞化の技を隣で見てたうちのカミさんがね、仏壇の横に置いてある俺の『へそくり箱』の底に耐震ジェルを貼って、フタにチャイルドロックを3重にかけて、1メートル高い棚の上に固定しちまいましてね、今度は俺が前足を突っ込んでも1円も掻き出せなくなっちまったんですよ!」
(おあとがよろしいようで)
※ サイトの記事をもとにした創作落語です。登場人物・出来事はすべて架空のもので、猫の困りごとへの正確な対処法は、各演目のもとになった記事をご覧ください。