第三十席
『洗濯ネットの魔法の袋』
まくら
最後は「備えあれば憂いなし」という防災のお噺でございます。もし地震や火災が起きた時、パニックになった猫を素手で捕まえて、そのまま抱っこして外へ避難しようとすると、恐怖で暴れて、まず間違いなく腕の中から逃げてしまいます。「ねこサポLIFE」によりますと、暴れる猫を10秒で安全に保護し、猫自身も包まれることで落ち着く最強の防災ツールが、どこのご家庭にもある「大きめの洗濯ネット(ファスナー付き)」なのだそうでございます。
本編
田中さん「おい大ちゃん、今日は地域の防災訓練だが、お前さんちの猫のミケちゃんの避難準備はできてるかい?」
大輔「バッチリですよ田中さん! いざという時はミケにオシャレな首輪とリードをつけて、俺が小脇に抱っこして避難所まで走ります! キャリーバッグは邪魔だから押し入れの奥の天袋にしまってありますぜ!」
田中さん「大ちゃん、それは一番やっちゃいけない『まず間違いなく逃げられるパターン』だよ! 地震の揺れや緊急地震速報の音が鳴ったらね、猫はパニックになって、リードや抱っこなんて一瞬で振り切って逃げちまうし、押し入れの奥からキャリーを出してる暇なんてないんだよ!」
大輔「ええっ!? じゃあどうすりゃいいんですかい!?」
田中さん「いいかい、今すぐやるべきことは3つだ。Step1、普段からキャリーバッグは玄関かリビングのすぐ取れる場所に置いておき、その中に『大きめのファスナー付き洗濯ネット』を2枚入れておく! パニックになった猫も、まず洗濯ネットにスポッと入れてファスナーを閉めれば10秒で安全に保護できるし、ネットに包まれると猫も不思議と落ち着くんだよ。そのままキャリーに入れれば病院や避難所でも脱走しない」
大輔「へえーっ! 洗濯ネットが最強の防災ツールになるんですかい!」
田中さん「そうとも。そしてStep2、防災リュックに『最低7日分(できれば14日分)のフード(特に療法食や水分が摂れるウェットパウチ)・水・折りたたみトイレ・防臭袋・常備薬とお薬手帳のコピー・ワクチン証明書と写真・目隠し用の大判布』をまとめておく。さらにStep3、ベッドの下みたいな人間の手が届かない死角を収納ボックスで塞いでおいて、怖い時は自然とリビングのキャリーやクレートの中に隠れる動線を作っておくんだ」
大輔「なるほど! ベッドの下を塞いでおけば、いざという時にキャリーの中へ自分から入ってくれるんですね! よし、さっそく家に帰って、ベッドの下を塞いで、キャリーの中に特大の洗濯ネットを用意してきます!」
(翌日)
田中さん「おう大ちゃん、防災の準備は整ったかい?」
大輔「へえ、田中さん! ベッドの下を塞いで、特大の洗濯ネットを用意したら効果てきめんでしたよ! 昨夜、俺が飲み過ぎて夜中に帰ったら、カミさんの雷(カミナリ)がドカーンと落ちましてね」
田中さん「おや、ミケちゃんが洗濯ネットに入ったかい?」
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大輔「いえ、パニックになった俺が特大の洗濯ネットに頭からスポッと入ってファスナーを閉めましたら、カミさんも『あら、ネットに入ってると大人しくて落ち着くわね』って許してくれました!」
(おあとがよろしいようで)
※ サイトの記事をもとにした創作落語です。登場人物・出来事はすべて架空のもので、猫の困りごとへの正確な対処法は、各演目のもとになった記事をご覧ください。