第二十一席
『シニア御殿のバリアフリー』
まくら
猫も13歳を過ぎますと「ハイシニア期」に入り、人間でいえば70歳近いお年寄りになります。若い頃はヒョイッと飛び乗れていたソファや出窓に登れなくなったり、寒い日にトイレまで歩くのが億劫になったりする。「ねこサポLIFE」によりますと、ハイシニア期の部屋作りの基本は「高さを低くする(スロープやステップの設置)」と「トイレ・水・ご飯・寝床の距離を半径2~3メートル以内に近づける(コンパクト動線)」ことだそうでございます。
本編
蓮「田中さん、うちの猫のタマも今年で14歳になりましてね、なんだかソファに飛び乗るのをためらったり、寝床から出てお水を飲みに行くのが億劫そうなんです」
田中さん「そりゃあタマちゃんも立派なハイシニアだからね、部屋を『バリアフリーのシニア御殿』に改装してあげる時期だよ。シニア御殿の4つの手順を教えてあげよう。まずStep1、ソファやベッド、出窓の手前に、段差15センチ以下の『ペット用階段(やわらかいウレタンステップや滑り止め付きスロープ)』を置いてあげるんだ」
蓮「段差15センチ以下の階段ですね! それならジャンプしなくてもトコトコ登れますね」
田中さん「Step2、フローリングで後ろ足が滑って股関節を痛めないように、タマちゃんが歩くルートに『タイルカーペット』や『ヨガマット・コルクマット』を敷く。そしてStep3が一番大事だよ。寝床のすぐ近く、歩いて3秒以内(半径2~3メートル以内)の場所に『水飲み場』と『段差の低いトイレ』を増設してあげるんだ」
蓮「歩いて3秒以内! なるほど、関節が痛い日でも我慢せずにすぐお水やトイレに行ける『コンパクト動線』にするんですね!」
田中さん「そうとも。そしてStep4、寝床には体圧分散できる少し硬めのマットを敷いて、ペット用ヒーターを『半分だけ』敷いておく。そうすれば暑くなったらヒーターのない半分へ自分で移動して温度調節ができるからね」
蓮「ありがとうございます! さっそく今日、タマのために階段とカーペットと、歩いて3秒のコンパクト動線を作ります!」
(数日後)
田中さん「蓮くん、タマちゃんのシニア御殿は具合がいいかい?」
🎐 オチを見る
蓮「ええ、タマは快適そうに暮らしております! ただ、その『歩いて3秒以内に布団とトイレと水と食事があるコンパクト動線』を見たうちのじいちゃんが、『うらやましい!』と言い出しましてね、今朝からタマのベッドのすぐ横に自分の布団を敷いて、タマと並んで一歩も動かなくなっちまいました!」
(おあとがよろしいようで)
※ サイトの記事をもとにした創作落語です。登場人物・出来事はすべて架空のもので、猫の困りごとへの正確な対処法は、各演目のもとになった記事をご覧ください。