第十二席
『爪切りの極意は舐めマット』
まくら
多頭飼いで猫の爪切りや耳掃除をする時、おっとりした捕まえやすい子から先にやると、その様子を見ていた「勘の鋭い子」がベッドの奥へ隠れて二度と出てこなくなるそうでございます。「ねこサポLIFE」によりますと、ケアは必ず「1匹ずつ別の部屋(洗面所など)に連れて行って、他の猫に見せないこと」、そして捕まえる順番は「一番勘が鋭くて逃げ足の速い子が1番」が鉄則。さらに邪魔しに来る食いしん坊の猫には「凹凸のあるおやつマット」が効くそうで。
本編
拓海「おい、今日はうちの黒猫のクロと、茶トラのチャチャの爪切りをするぞ! チャチャはおっとりしててすぐ捕まるから、リビングの真ん中でチャチャから切ろう!」
チャチャ「(爪を切られて)ギャー! シャー!」
拓海「よし、チャチャは終わったぞ! 次はクロ……あれっ? クロがどこにもいねえぞ!」
莉子「あーあ、あんたが一番やっちゃいけないことをやったからよ! リビングで他の猫が見ている前で爪切りをして『ギャー!』って騒ぐのを見せつけると、見ている側の猫も『爪切り=虐待される怖いこと』って学習して隠れちゃうし、興奮して喧嘩の原因にもなるのよ!」
拓海「ええっ、じゃあどうすりゃよかったんだ!?」
莉子「解決ステップの1番目は『順番の法則』よ! おっとりした子から始めると警戒心の強い子が隠れちゃうから、必ず『一番勘が鋭くて隠れやすいクロ』を何気ない顔で最初に確保して、洗面所みたいな別室に連れて行って切るの!」
拓海「なるほど、逃げ足の速いクロが1番で、しかも別室でこっそりやるんだな! でもよ、クロを別室に連れて行くと、食いしん坊のチャチャが『あっちの部屋で美味しいおやつをもらってるに違いない!』ってドアをカリカリ引っ掻いて邪魔しに来るじゃないか」
莉子「そこにも秘策が書いてあるわよ! 邪魔しに来る食いしん坊の同居猫には、舐めるのに5分かかる『凹凸のあるおやつマットに塗った液状おやつ』や『知育トイ』を離れた場所で同時に与えて、夢中にさせている隙にもう1匹のケアを終わらせるんですって! そして終わった後は、ヤキモチを防ぐために待っていた子にも一口おやつをあげるのよ」
拓海「すげえ、まるで忍者の兵法書だな! よし、来週は月曜日にクロの前足、火曜日にチャチャの前足って曜日を分けて、その作戦でいこう!」
(翌週の月曜日)
莉子「よし、私が洗面所でクロの爪を1本切ってきたわよ! ……って、ちょっとあんた! なんでチャチャと一緒に床に這いつくばってるのよ!?」
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拓海「いやあ、チャチャ用の凹凸マットの隣に、俺の晩酌の焼き鳥のタレを塗ったマットが置いてあったもんだから、つい夢中で5分間舐めてたんだよ!」
莉子「それはあんたが邪魔しに来ないように、私が置いといたのよ!」
(おあとがよろしいようで)
※ サイトの記事をもとにした創作落語です。登場人物・出来事はすべて架空のもので、猫の困りごとへの正確な対処法は、各演目のもとになった記事をご覧ください。